別に、私自身が先日の問題発言、「ストック」を増やすつもりではないのですが、楽天広場を徘徊していいて、つい見入ってしまうのは、やっぱり女性の方のブログ。
殆ど小説など読まない私ですが、皆さんのブログを読んでいて思うこと、やはり人間それぞれ、共感出来る部分もあるし、出来ない部分もあります。
でも、結局それを、つい楽しんでしまう自分がいるのです。
最近では、子供についてもそうですが、女性側から見た、男についての観念によるところの興味が大きいのです。
なぜ興味深いのかと言えば、最も理解に苦しむところだからに他ありません。
そういった意味で、先日、「男のマザ根に対する考察・・・自虐系?」 を書きました。
そして、その後、この男のことを思い出しています。
マザ根男というつもりはありませんが、何故か引っかかっています。
男の中の男であり、男がいかに弱っちい生き物であるかを身をもって確信させた男でもあります。
その男の名は・・・ダイナマイト作時。
久々に昔の話でございます。
その頃、T課長 と、会社の若い連中ともつ焼き屋で飲んでいるのが私の日常だった。
片山ステレ男が、「バンドやりたいんすよね」と言い出したことがきっかけで、たまたまそこにいた3人の連中が、「やりましょうよ」ということになり、多少はギターが弾ける、私もメンバーに加わることになった。
連中はバンドやったこともなければ、楽器演奏したこともない。
そこで、私がバンマスということになった。
たまたま一緒に飲んでいたダイナマイト作時が言った。
「オレはドラム」
その一言で決定だ。
後は・・・それほど重要ではない。
1997年8月27日、私は会社の若い連中とバンドを結成した。
バンド名は、「スパイ大作」。
メンバーは、
ギター&ボーカル&バンマス、レッドサン(私)
ベース&ボーカル、鈴虫九里。
ギター&ボーカル、片山ステレ男。
そしてドラマー、ダイナマイト作時。
マネージャーのパンパース立川(T課長)や、ダンサーその他、臨時メンバーも数人いたが、基本はこの4人。
具体的にどうするという訳でもないが、スタジオ入って酒飲んで、大音量でストレス発散、その後居酒屋で酒を飲むという、それだけのことといえば、それだけのことだが。
草野球やってるようなものと言えば、判りやすいだろうか。
こういう馬鹿げた遊びをする男もいれば、しない男もいる。
ダイナマイト作時は、馬鹿げた遊びをする男だった。
自分に厳しく、人にも厳しい男だ。
奴の口癖は「オレはやってる」というもの。
私たちが話をするのは決まって会社の喫煙所。
彼とは仕事上の絡みはなかった。
「穂高さん、やってますか」
「やってねえ」
「だめじゃないですか、おれはやってますよ」
「そうなの?すごいね?」
これが挨拶のようなものだった。
何をやってるのかは、大した問題ではなかった。
会社においても、同僚においても、彼は常に厳しかった。
常に直接的に批判した。
彼が持っていた自負、それが「オレはやってる」ということだ。
やってないおまえ達は、ダメだろうということ。
さらに自分がやってないことに関しては、興味ないし、関わらない、ということ。
たぶん、こういう男は、一般的に「男らしい」と評されると思う。
しかし、こういうタイブの男は、実際には殆どいない。
ダイナマイト作時は、会社を辞めた。
会社に留まることが、やってないことに繋がるからだ。
「おれはやってる」を正当化するため、彼は辞めた。
しかし、バンド活動は、存続した。
これは「やってる」ことに繋がっていたのだろう。
私たちは、スタジオで喉と耳を酷使した後、さらに居酒屋でフラストレーションを発散した。
作時は、未だに会社にいる私たちを批判した。
私は「いや、オレも時期を見て辞めるから」と言った。
作時は、ステレ男、九里を問い詰める。
「おまえ達は、どうするんだ?」
言葉に詰まるステレ男、九里。
私も一緒になってからかっていたが、はっきり言えば、彼らの人生、彼らがどう生きようと、私にとってはさほど重要な事ではない。
ダイナマイト作時は、人との係わりで遊ぶことが好きな奴だった。
同僚をからかったり、居酒屋の店員をからかったり。
私は、彼のそういう性格と共通する部分もあり、一緒になって遊んでいたのだろう。
「ミルク」と言ってビールを持ってこさせたり。
おねえちゃんにちょっかいだして、誰が好印象を得られるか勝負してみたり。
注文したものに対するクレームつけるために店長呼び出したり。
酒に溺れないことと、迷惑をかけないことが、暗黙のルールだ。
(ステレ男はよくルールをやぷったが)
私にしてみれば、メガネ売り時代に見についた悪癖なのだが、彼にしてみれば、私のようなアホな性癖を持つ奴が新鮮だったのかもしれない。
私とは全く性格の異なるダイナマイト作時だが、私に対しては、年齢的、酒の強さ、音楽的において、敬意を表してくれたので、批判をすることは少なかった。
もしかしたら、彼は、私はやっていないといいながらも、実はちゃんとやってると思っていたのかもしれない。
今となっては、確かめようもないが。
しかし、私は「やっている」男ではなかった。
その後、私も会社を辞めた。
理由は、ダイナマイト作時と似たようなものだが、ちょっと違う。
私の場合は、その会社で仕事をするのがめっきり嫌になったからだった。
ダイナマイト作時は、「穂高さん、やりましたね」と言った。
私は、「そうね」と頷いた。
「これからどうするんですか」
「わからねえ」
「だめじゃないですか」
彼は、自分が今やっていることを教えてくれた。
編集プロダクションの編集長をやっているということだった。
「じゃ、おれが本を書くから、出版してくれ」と私は言った。
「いいですよ、先ずはアウトラインを書き出してくださいよ、企画を売り込みますよ」
私は勿論・・・・書かなかった。
その後、家庭の事情、金銭的な事情から、私はバンド活動を積極的にしなくなった。
「スパイ大作」という集まりは、事実上、活動を停止した。
忘れた頃に、ステレ男からメールが来た。
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スパイ大作元ドラマー・ダイナマイト作時氏が
急逝されたそうです。
御冥福をお祈り申し上げます。
死因は「過労死」と聞いています。
なんともやり切れない気分です
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作時の口癖は、私にとってトラウマとなった。
やってる自負のために、過労死という道を選ぶ必要があったのか。
私は、そんなおまえを尊敬はしていない。
むしろ、いい加減に生きるということを、おまえに染込ませることの出来なかった私の力量不足を思い知らせたわけだ。
そんなおまえが嫌いだ。
「オレはやってる」
口に出すな、そんな自慢は聞きたくない。
やってるなんて自慢は、カッコ悪いことだ。
もし仮に、やってるとしても、黙っていれば、自分の中だけで満足出来る。
それはカッコいいことだろう。
言わなければ、挫折したって誰も咎めはしない。
最初からやってないことにすればいいだろう。
口に出せば、それを背負うことになる。
そんな話をしたことはないが、たぶん、「それじゃ、最初から負け犬じゃないですか」なんて言っただろうな。
私は、負け犬で結構。
ダイナマイト作時の分まで、負け続けてあげるよ。
・・・・嘘だ。
おまえに拘わって生きるつもりはない。
オレはオレなりに、適当にやる。
それが私なりの、ダイナマイト作時に対する供養のつもりだ。
・・・久々の昔の話ですが、暗い話となってしまいました。
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活動してませんが、未だ、消去もしておりません。
スパイ大作公式HP

チ?ン・・・・